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社外研修報告書

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社外研修報告書

弁護士法人 名古屋総合法律事務所
報告者: 若狭しのぶ

研修テーマ 法律事務所事務職員研修(基礎研修・後期)
「供託・裁判所外の手続」
主催者 愛知県弁護士会
受講場所 愛知県弁護士会館 5階ホール
受講期間 2015年3月23日(月)13:30~15:30
研修内容 供託・裁判所外の手続
研修の成果及び感想 (講師:はるき法律事務所 事務職員 堀江厚氏)
裁判外の手続の中から公証役場に関すること。および、供託(主に弁済供託)についての講義。

【公証役場】
公証役場とは、公正証書の作成、認証(私署証書の認証,定款の認証)、確定日付の付与といった公証業務を行う公的機関
●公正証書とは、以下の特色をもつ公文書である
①債務名義となる(下記の2要件を満たす場合)
i)金銭の一定額の支払等を目的とする請求であること
ii)執行承諾文言が記載されていること
②高い証明力(形式的証拠力)
③文書の保全(原本は20年間保存され、いつでも謄本請求が可能)
●公正証書の種類
①契約に関する公正証書(例:任意後見契約公正証書)
②単独行為に関する公正証書(例:遺言公正証書)
●公正証書の作成方法
①公証人の指定、作成日時の予約
②原案・資料の事前FAX
・当日読み聞かせて署名捺印するだけの状態に前もって準備しておく
・遺言公正証書の場合、証人2名の住所・氏名・生年月日・職業の連絡
・手数料を確認し、当事者に当日現金を支払ってもらうよう、事前に連絡
・本人確認書類の準備
例)印鑑証明書(予め預り事前にFAXし、当日に提出)
実印(当事者に当日持参してもらう)
③作成当日:公正証書原本への署名捺印
→正本(強制執行に必要になる)と謄本の交付
●代理人が作成する場合に必要なもの
委任状(別紙を添付して署名捺印、執行認諾文言の記載)、
印鑑登録証明書、代理人の本人確認書類

【供託】
供託とは、供託者が供託所(法務局内の国家機関)に金銭などを提出し、その管理を委ね、被供託者(取得権限のある者)に取得させること
(1)弁済供託
通常、債務は弁済により消滅する。しかし、債権者側の事情で弁済できない場合に、弁済供託により債務消滅の効果を生じさせる。
●供託事由
①債権者の受領拒否:原則、弁済の提供(現金書留の発送、債権者への
手渡しなど)が必要
②債権者の受領不能:行方不明、指定振込口座の解約など
③債権者不確知:過失なく債権者がわからない
●弁済供託の管轄:債務履行地の供託所
原則:持参債務→債権者の住所地
例外:取立債務(給与、預貯金)→債務者の住所地
●供託申請に必要なもの
①供託用紙(種類によって用紙が異なる。根拠法令を記入。
OCR用紙のため押印不要。金額の訂正は不可)
②資格証明書の提示(法人の登記事項証明書、戸籍謄本など)
③代理権限証書の提示(委任状など。「確認を請求します」と記載し、
供託官に確認済みの証明印を押印してもらう)
④82円切手付封筒(供託者を差出人、被供託者を宛先として記入)
⑤供託物(金銭)
●供託申請後の流れ
申請→受入れ(又は却下)→供託書正本を供託者に交付
→供託通知書を被供託者へ供託所から郵送
●供託物の払渡請求
・供託物還付請求:被供託者が払渡を求める
・供託物取戻請求:供託者が払渡を求める
●払渡請求に必要なもの
①供託金払渡請求書
②印鑑証明書 ※例外的に不要な場合がいくつかある
(例:供託時に提示した供託官確認のされた委任状を添付し、
払渡請求の委任状に押された印鑑が同一であると確認できる場合)
③資格証明書の提示
④代理権限証書
⑤払渡を受ける権利を有することを証する書面
⑥供託書正本または供託通知書
(2)裁判上の保証供託
訴訟行為・裁判上の処分によって相手方に生じうる損害を担保する目的で、裁判所からの立担保命令に基づき、当事者が供託で担保をたてる。
・管轄:命令を出した裁判所の管轄区域内の供託所
・供託書の記載内容には正確を期す
(記載に間違いがあると、供託所は受理しても、裁判所には受理されない)
(3)執行供託
強制執行のためにする供託
・事件当事者(第三債務者)が行う供託の種類
①権利供託:差押えが競合しない事案
②義務供託:差押えが競合する事案

(感想)
・業務の中で関わることもあった公証役場について、基本的な説明を受けることができて参考になりました。
・供託のうち、担保保証供託と執行供託は、前回までの基礎研修で講義を受けていましたが、弁済供託については初めての講義でした。弁済供託について知ることで、ほかの供託についても理解が進みました。
受講者 若狭しのぶ