『社会の家族の重荷となる老人』はどこに行くのか? また、そうならないために。

名古屋市の相続・シニア問題弁護士のブログ

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『社会の家族の重荷となる老人』はどこに行くのか? また、そうならないために。
弁護士・税理士・社会保険労務士 浅野了一

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1. 『社会の家族の重荷となる老人』はどこに行くのか?

最近、急速に進む高齢化社会の『重荷となる高齢者』にどう対処するか、という問題に取り組んで、その解答が「結局は高齢者の集団自決、集団切腹ではないか」という見解が主張されています。

その真偽のほどは、各人の責任で確認してください。

参考
https://agora-web.jp/archives/230213033507.html
https://hosyusokuhou.jp/archives/48941920.html
http://j-seiji.blog.jp/archives/18948422.html

私は、その論の延長線であたかもナチスドイツのユダヤ人問題の最終的解決(アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所などの絶滅収容所でのガス室などによるユダヤ人の大量虐殺)に倣うかのような解決論が連想されるような気がしました。

そう思うのは私だけなのでしょうか。

確かに長い日本の歴史の中で、今の日本のように、大半の国民が自由に移動でき、発言でき、3食を食して寝て住むことができる時代はなかったです。
江戸時代まで封建制度あるいは身分制度により、一部の支配階層と成功した町民・農民などを除いて大半の庶民は苦しい生活で生きながらえてきたと思われます。

私は、第二次世界大戦以前は、庶民で働けない人はもう生きていくことができないあるいはとても困難な社会だったのではないかと思っています。
全国各地での姨捨話だけでなく、江戸時代には、それ以前の歴史でも、捨て子や捨て老人、捨て病人が横行していたという話があります。
江戸時代では、家族にとっての『重荷になるお年寄り』はどうしていたのでしょうか、またどうされていたのでしょうか。

参考

江戸の裏長屋~9尺2間の裏長屋の借家での庶民の生活
江戸の9尺2間の裏長屋の食事は、多くは3食とも一汁一菜、ご飯に味噌汁と漬物です。
間口が九尺(約2.7メートル)、奥行きが二間(にけん)(約3.6メートル)、面積は約9.72㎡、約2.94坪です。
共同井戸・便所で、風呂無しの生活で、ちょうど6畳一間程度の広さの借家で、夫婦と子ども4、5人、あるいはもっと多く10人近くの家族が重なり合って生活をしていました。

写真1
公益財団法人江東区文化コミュニティ財団 深川江戸資料館 江戸時代の深川の町 裏長屋の復元展示 です。

また、江戸時代の大半の農民は、移動が厳しく制限されており、白米もあまり食べられず「ひえ・あわ」などの雑穀を主食にしていたといわれています。
江戸でも農村でも生活苦で、お年寄りが生きていくのはとても困難だったと思われます。

2 また、そうならないために、『老後資金』は大切です。

今の社会でも、お年寄りにとって『お金』は、命と家族の次に大事です。

家族に『重荷』にならないために、少しでも健康であることと、老後資金が必要です。

ところが、自分は大丈夫と思っているお年寄りほど、『オレオレ詐欺』、巧みな儲け話などにに乗せられた『投資詐欺』、『詐欺的手口の儲け話、被害』にあったりします。

弁護士法人名古屋総合法律事務所を含む名古屋総合リーガルグループは、5年ほど前から、名古屋市内で、のちに岡崎市内で、税理士・司法書士・弁護士により『相続・相続税セミナー&相談会』を開いてきましたが、 今まで、同じ公的な会場の同じフロアで、高齢者を対象とした『仮想通貨セミナー』が開かれており多くのお年寄りがお土産付きのセミナーに参加されていたことが2回ありました。

怪しいなと思いネットで調べると、詐欺的手口が評判の怪しげな会社でした。

目の前で、詐欺的手口で老後資金を失って行くだろうと思われるお年寄りをただ見ているしかなく、悔しい思いをしたことがあります。

よほど「その会社、その仮想通貨話はあやしいですよ」と言いたかったです。
(ちなみに、そういう言動をすると、刑法の業務妨害罪になります。民事の損害賠償請求をされます。)

日本では、彼らは法的に保護されています。

そして、社会では、詐欺事件もしくは詐欺的手法の被害案件などで「騙すより騙される方が悪い」とよく言われます。

これは、使用者責任を追及された加害者側の法人などは「騙される方にも過失がある」「当社の社員を信用した方が悪い」と、無過失もしくは過失相殺を主張することに起因しているのではないかと思われます。

「コンプライアンス」とは、企業内での本音は「うまくやれよ」という意味だよ、と言われた方が見えましたが、社会の現実を見ると大企業を含む企業の対外的な建前と企業内の各部門への本音の伝達とでは違うのではないかとも思われるときもあります。

言葉巧みにうまくやるほど利益を得、その部門や支店の業績は上がり、まじめなお年寄りほど騙されやすく老後資金を失っていきやすいのではと危惧します。

投資詐欺や詐欺的手口、不当な取引勧誘、判断能力の低下した高齢者への不当な営業・販売、押し売り販売、無断販売、無断契約などで、老後資金を失うことになるお年寄りの将来が案じられます。

参考資料
平成 29 年 3 月 30 日独立行政法人国民生活センター
知人からの勧誘、セミナーでの勧誘による仮想通貨の購入トラブルにご注意
―「必ず儲もうかる」という言葉は信じないで!―

(1)契約当事者の属性

 https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20170330_1.pdf
図2 契約当事者の年代別件数と割合

・年代別
70歳代が 133 件(23.6%)と最も多いですが、60歳代105件(18.6%)など各年代から相談が寄せられています。

・性別
男性が 278 件、女性が 333 件であり、女性の相談がやや多くなっています。

3. 『高齢者を身近な危険から守る本』では、最初に「詐欺・事件から守る」が挙げられています。

何事も疑うこと、「疑ってかかる」ことが大事です。
それほど、高齢者の詐欺被害件数・被害額が多いのです。
高齢者のお金は狙われているし、狙う人が多くいるのです。

そして、被害額も大きいのです。
親切そうな人も怪しいし、見知らぬ親切な人はもっと怪しいです。
被害金額が大きく、被害にあった高齢者の方のその後の人生を大きく狂わせてしまいます。

とても悲しいことです。

ところで、日本は民主主義の国で自由権などの基本的人権がよく守られていると思います。
不思議な思いもしますが、これほど悪質な詐欺もしくは詐欺的グループが、そして悪質な営業をしていると思われる大企業があるのです。

電話営業で、ネットで、戸別訪問で、金融商品などの販売で、家の各種修理話で、押し売り、無断販売でなどなど。

また、詐欺集団や窃盗・泥棒グループなどの摘発は現実は大変難しいので、わが物顔でばっこしているのです。
まして詐欺的な手口は刑事事件になりにくく摘発がとても難しいです。

民事事件での責任追及は時間と費用がかかりほとんどが断念して泣き寝入りになります。
また、日本に泥棒出稼ぎで来る外国人の方もありえます。
大陸と島国では犯罪へのとらえ方、考え方が違うのではと思うところもあります。

そして、加害者それぞれには家庭があります。
加害者は、家庭では、良き夫で良き夫妻で良き息子で良き娘なのだと思われます。

人口構成比では、相当の割合の人が犯罪もしくは準犯罪もしくはそれらに近い行為を行う集団、犯罪もしくは犯罪的行為それらに近い行為を指揮もしくは支援する後方部隊、怪しいと思われる営業の企業に属して生計を維持していると思われます。

それが現実の社会だと私は思っています。

写真2

高齢者を身近な危険から守る本 単行本 – 2021/8/24
森 透匡 (監修), 平松 類 (監修), 三平 洵 (監修) 出版社 ‏ : ‎ 池田書店

私は、この本はお年寄りにも分かりやすく、ページ数が128ページと少なく、文字も大きく読みやすいと思いました。
高齢者の方に、そしてご家族に、是非一度読んでほしいと思いました。

家族と相談すること、うまい話には必ず罠(わな)、落とし穴があります。

高齢者を身近な危険から守るには、高齢者自身が、『私は大丈夫!』という考えを捨てて、家族と相談すること、うまい話には必ず罠がある、落とし穴がある、うまい儲け話はないです、

人を疑うこと、きっぱりと断る勇気を持つことを心掛けたい。
人からどう思われるかを心配して、人に良く思われようと思ったら終わりです!

「私は大丈夫!」という人ほどだまされやすいのです。

本当に不思議ですが、商取引でもビジネスでも、その分野の専門家、プロほど騙されやすいのです。
専門家、プロの自信が警戒心を緩めてしまい隙間を作るのです。

オレオレ詐欺で、なぜこんなに簡単に騙されるのだろうかと思うのですが、『まさか自分が子供の声をまちがえることはない』と思うからです。

親切そうな人や周りの人を見たら、怪しい、泥棒かも、私のお金を狙っているかもと思ってください。
何事も疑うこと、「疑ってかかる」ことが大事だと私は思います。

追記

このブログは、2023年2月20日に執筆完了しましたが、内容的にアップするのに躊躇して2ヶ月以上経過しました。

この間に、歳を重ねるほどお金はいらなくなるなどを理由にして「高齢者こそお金を使った方がいい」という書籍が出されたり、ヨーロッパで安楽死など「死への積極的援助」の導入法案の作成へ進むなど、老人を取り巻く環境が次第に変化しています

私は、正直社会の進む方向に不安を抱いておりますが、こういうデリケートな内容に関するブログをアップしていいのかと迷う部分(私の心のなかの割合で)がありました。

その結果、表現の仕方をより穏やかに弱くあいまいにすることにしました。

ネットで調べたりニュースを丹念に調べたり人のお話を聞いたりなどされれば、現実は厳しいものであることが分かって頂けるのではと思います。

そして、私をはじめとする高齢者の方に少しでも参考になればと思いアップすることにしました。

参考
https:www.eonet.ne.jp/~shoyu/mametisiki/reference-8.html

  2023年5月2日追記を記載。

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